糖尿病予防や生活習慣病予防など、健康を意識する上での食生活では腹八分目を心がけることが大切です。しかし、品数や食事の量を減らしてしまうのは、食べる楽しみも少なくなってしまいます。そこで、咀嚼回数を増やしてゆっくり食べられる食材「こんにゃく」が注目されるようになりました。古来、味が染み込みやすく歯ごたえのあるこんにゃくは、その弾力性と腹持ちの良さから日本人に親しまれてきた食材です。
こんにゃくが日本に伝わったのは?
こんにゃくの原料はサトイモ科の植物「こんにゃく芋」で、その原産地はインドシナ半島と言われております。こんにゃく芋が日本へ伝来したのは、根栽農耕文化と共に縄文時代に入ってきた説、古墳時代に医薬用として朝鮮から伝わったなど諸説あり、正しいことはわかっていません。
しかし、平安時代の歌人が書いた和名類聚抄という辞書や拾遺和歌集にこんにゃくのことが記載されていることから、この頃から食されていたことがわかります。
こんにゃくが一般的に食べられるようになったのは?
こんにゃくは、平安時代の貴族や王族が食す高級食材、僧侶の精進料理に用いられてきましたが、一般的に食べられるようになったのは江戸時代に入ってからのこと。
きっかけは、生芋を摩り下ろして作る従来の製造方法から、芋を乾燥させて粉末にする製造方法を水戸藩の中島藤右衛門が考案したことです。これによって保存・輸送の効率が格段に向上し、芋の皮が入っていない白いこんにゃくが全国各地で食べられるようになりました。
今のこんにゃくになるまで
こんにゃく産業が活発になったのは明治時代の初め頃、それまで水戸藩の専売品だったこんにゃく粉の解禁によるものです。流通が活発になると製造・生産も本格的に分業されます。しかし、生芋から作るこんにゃくに見慣れていた地方では、白いこんにゃくは受け入れられにくいものでした。
それにより大正時代にこんにゃく粉を使って製造する際に、海草の粉を混ぜるという方法が考案され、現在のようなこんにゃくの形が一般的になります。また、現代では食品加工技術の発達によって、色々なこんにゃく商品が販売されております。
こんにゃくが食べられているのは日本だけ?!
このように古くから愛されてきたこんにゃくですが、食用として栽培しているのは日本と中国の一部のみで、食材として定着したのは日本だけです。それは、日本のこんにゃく芋が「グルコマンナン」という食物繊維を含む品種であることが理由となっています。
グルコマンナンは、水酸化カルシウムと合わせることによって固まる性質があることから、加工に適していることが考えられます。こんにゃくは食物繊維と水を主成分とするため低カロリーであり、食べ過ぎを防いで健康を意識する食生活に一役買ってくれる、ヘルシーな食材であることが魅力です。
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黒木屋のこんにゃくは健康を気にしている方におすすめ!